ぎちゅログ

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蚕の思い出
ふと、小学3年生だか4年生のころに、
小学校で飼っていた蚕のことを思い出しました。

私は虫が苦手なほうではありませんでしたが、
なぜか蚕の幼虫にはなかなか慣れませんでした。

真正面から見ると、チャウチャウみたいなしわくちゃな顔で、
かわいいと思えないこともなく、見ているだけでは問題なかったのですが、
問題は見た目ではなくて触った時の感触でした。



蚕の幼虫は触ると思いのほかぐにゃりとやわらかく、
触るところまではいいのですが、
持ち上げようとして力を入れると、
潰れてしまうのではないかという錯覚に襲われるのです。
クラスの男の子は平気で蚕を持ち上げたりしていましたが、
不器用な私がやったら、きっと潰れて内臓が出てくるんじゃないかと、
なぜかそんな不気味な考えにとりつかれていました。

けれど、感触がダメというだけで、私は蚕を気に入りました。
毎日のように、学校帰りに友達と桑の葉を取りに行きました。
休み時間は蚕を眺めて過ごしました。
見分けがつくくらい眺めようと思いましたが、
とうとう個体の識別はできませんでした。

そんなある日、蚕達は繭をつくりはじめました。
繭をつくる途中で、力尽きて死んでしまった蚕もいました。
今なら気持ち悪いと思って目を背けてしまいそうですが、
当時の私はその蚕がまた繭をつくりはじめるような気がして、
その蚕を毎日眺めていました。
はじめはその蚕は休んでいるだけだと思い込んでいたのです。
私は小2のときに祖母を亡くしていましたが、
それでもまだ、死というものがよくわかっていなかったような気がします。
死んだ蚕が真っ黒くなって、他の蚕が繭から出てくるころになって、
ようやく私は、あの蚕が成虫になれずに死んでしまったということがわかったのです。

一方、繭からかえった蚕の成虫達は、
思いのほか小さく、蛾なのに飛ぶこともできないようでした。
先生は、蚕の成虫は卵を産んだらすぐに死んでしまうのだと言いました。
一生懸命桑の葉を食べて、一生懸命繭をつくって、
それなのに卵を産んだら死んでしまうなんて、
なんのための人生なのだろうと思いました。
おそらく生まれて初めて、「虚しい」という思いがこみ上げてきました。

クラスのY君はそんな力尽きる寸前の蚕を指に乗せて、
授業中も黙って眺めていました。
その目は真剣に、死なないで、と訴える目でした。

その蚕がどうなったかは覚えていません。
ただ、触覚がふわふわしていて、目が大きくて、
かわいいかわいい蚕だったということだけ、覚えています。

蚕はいろいろなことを教えてくれました。
蚕がクラスにいた間の記憶は大分薄れていますが、
蚕が教えてくれたことは、今の私の中にも生きているような気がします。
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昔の話 | 2005/10/11 00:25 | コメント(0)






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